飛行機の中で起こったまるでドラマのような出来事　中編

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ともかくお医者さんがいてよかった。
だが、
これで一段落つくと思われたドラマには
実はまだ先があったのだ。
お医者さんが問診を始めるのかと思ったら
前の方で乗務員とごにょごにょ話している。
次の瞬間、先ほどと同じ口調で
パーサーが叫んだ。
「この中で、
　日本語のわかる方はいらっしゃいませんか！」
問診できないわけだ。
患者さんは日本人だった。
この飛行機は
ニュージーランド航空の
クライストチャーチ発シンガポール行き。
乗務員で日本語が話せる人などいない。
ついに自分の出番がやってきた。
こうして、
お医者さんと患者さんの間に入って通訳するという
なかなかない経験をすることになったのだった。
（続く）