「PHPは何の略か」をPHPの生みの親に聞いてみたら予想外の答えが返ってきた

PHP というプログラミング言語がありますね。このブログも PHP で動いてます。

さてこの「PHP は何の略か」にはこれまで若干の違和感があったんだけど、予想外の方向で納得の結論が出ました。

そもそもの名称

PHP はもともと1994年に Rasmus Lerdorf さんが作った Personal Home Page Tools で、略して PHP Tools と呼ばれたようです。

そのへんは公式の文書にも書かれてる。

PHP: Hypertext Preprocessor として

その後、PHP は PHP: Hypertext Preprocessor を表す、ということになりました。

PHP の P は PHP の P なんですね。これは再帰的頭字語というやつで、RPM (RPM Package Manager) や YAML (YAML Ain’t a Markup Language) と同じ。

Hypertext に限らない

PHP が専らハイパーテキストの前処理 (Hypertext Preprocess) をするために使われていた頃ならそれでいいんだけど、今はそうじゃないよね、と常々おもってました。

ウェブやスマートフォンのアプリからリクエストを受けてデータを処理することもあれば、バックエンドで定期的な処理をするために使われることもあって、これらはもうハイパーテキストとは関係ない。

成り立ちということを考えたら「何の略称か」が変わるというのはおかしな話かもしれないけど、いったん名前が定着した後にその役割が変わるというのはよくあることだから、それにあわせてその名が指すものは変わってもいいと思う。

作った人に聞いてみた

東京で開催された PHP カンファレンスで PHP の生みの親である Rasmus さんに質問をする機会があったので、このことについて聞いてみました。

「PHP はもともと Personal Home Page Tools で、その後 PHP: Hypertext Preprocessor の略ということになったけど、今はハイパーテキストを吐き出すとは限りませんよね。新しい正式名称について何かお考えがありますか?」

と。

すると、途中まで聞いたところですぐさま答えが返ってきました。

It’s just PHP.

はい、解決。

We don’t expand the acronym any more. It’s just PHP.

もはやこの頭字語は展開しない。何の略でもなく、PHP は PHP である、というのが公式の見解のようです。

それに続いた言葉がおもしろかった。

But we still have the longer version because some people just refuse to have an acronym that doesn’t have words behind it.

「とはいえ、今でも長い名前は生きてます。頭字語なのに、背後にそれの表す名前がないというものを受け入れてもらえないこともあるから」

なるほど。

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