スターバックスの豆乳カードから学ぶこと

「豆乳カード」というのはいま勝手に名付けたもので
実際には何かもっとかっこいい名前がついてるんだと思うけど、
ともかくスターバックスで豆乳入りの飲み物を注文したら渡されるカード。

画像:豆乳カード

このカードは、豆乳でお作りしたドリンクを間違いなくお渡しするために使用しています。(乳アレルギー事故などの防止のため)

と書かれている。
以前友人が話題にしてたんだけど、
自分で手にしたのは初めてだった。

このカードは飲み物の受け渡しのミスを防止するものだが、
OS やウェブのサービスにも同じ発想が関わってくる気がする。

豆乳カードの目的

注文した品はレシートに書かれていて
基本的にはそれを確認することになっているので
そこをちゃんとやってれば間違いはないはずなんだけど、
それでも人間の注意力に完璧は求められないから
この目立つカードを使って
間違いが起きる可能性を下げようということだろう。

何で豆乳かとうと、これは健康に関わる問題だから。
キャラメル風味のシロップが入っているかどうかより
豆乳で作ったものを確実に渡すことの方が遙かに重要だ。

牛乳アレルギーだからと豆乳入りを注文する人もいるわけで、
そういう人に間違って牛乳入りを渡してしまったら大変なことになる。
もちろん逆に大豆製品がダメな人もいるだろう。

いずれにしても、それと比べたら
キャラメルがどうとかヘーゼルナッツがどうとか
そんなことは実にどうでもいい。

これはファイル削除やアカウント情報の変更といった
重要な作業のときに確認ダイアログを出すのと同じ。
ここで間違いがあったら大変だから
特別に注意喚起をするわけですね。

もちろん他の商品のときだって
間違わない方がいいに決まってるんだけど、
カードが渡されるのは豆乳のときだけ。
ここが豆乳カードのだいじなところ。

全ての商品でやったら意味がない

これは豆乳のときだけ渡すから意味があるのであって
全ての商品でやったら効果がなくなってしまう。

何とかラテは牛乳を使うことが多く
豆乳の注文の方が少ない。たぶん。

豆乳カードは四六時中飛び交っているわけではなくて
やや頻度の低い注文が入ったときにだけ目にすることになる。

だからそれが目にはいると
「お、これは特に気をつけなければ」
と意識するのであって、
これが全ての商品について行われると
「特に注意」スイッチが入らなくなる。
結果、大事な部分でのミスを低減させるという目的が果たせなくなる。

毎回カードを渡してないか気をつけてみる

例えばウェブのサービスを組むとき
できるだけミスが起きないように、と気を遣って
やたらと頻繁に確認やアラートを出してしまっていないだろうか。

何かやるごとにいちいち確認を求められたら
「確認」や「OK」のボタンを押すのが一連の作業に含まれてしまって
ユーザーはもう何も考えずに承認するようになってしまうかもしれない。

これでは確認を取る意味がまったくない。
むしろ一つひとつの作業への注意力が削がれてしまって
余計にミスが起きやすくなるかもしれない。

「どうしても気をつけてもらいたいときだけ確認する」
という原則を忘れないようにしたいものだなあと
ホットのソイラテ(トール)を飲みながら思った。

そういえば、
入出力のたびに確認を求めてくる OS があったような気がするけど
あれはちゃんと機能してるんだろうか。

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3 Responses to “スターバックスの豆乳カードから学ぶこと”

  • 2008/11/11 18:35

    > 「特に注意」スイッチが入らなくなる
    これは人の世の全般にも言えることですよね。
    細かいことまで何もかもルールづくめにしていると、何が本当に大切か判らなくなってきます。

  • 2008/11/12 09:06

    > 入出力のたびに確認を求めてくるOS
    官製不況がブランドになった某お役所にも
    そのOSが入っているようです。

  • 豆乳嫌い

    2008/11/12 18:34

    豆乳カードもカッコイイですね。私はいまだにスタバ入るとなんか独特の都会感を感じてドキドキするので、「ジャヴァチップフラペチーノ、トール」と心の中で練習しながら列に並んでいます。
    本題については、駅のホームでの「白線の内側までお下がりください」等。まったく脳みそに引っかかって来ないですね。