年が明けるということ

年が明けるというのは
地球が太陽の周りを一周して
便宜上定められたラインを超えたということにすぎない。
それを新年のお正月のと勝手に盛り上がっている人間がいるだけ。

と中学校2年生のようなことを思っていた頃がある。

けど最近はそうではなくて
やはり年明けというものを意識し
それに相応しいとされる儀式や行事に従うことには
それなりの意味があると思うようになった。

「特別じゃない日なんてない」とわかってはいながらも
やはり大きな変化の少ない日が続く時期というのはあって
本当は二度とやってくることのない大切なその日を
何となく過ごしてしまいがちになる。

本当はたくさんの人の善意によって生かされているだけなのに
それがいかにありがたいことかを忘れてしまいそうにもなる。

自分の意志の力だけで
常にいろいろなことを噛みしめながら生きて行ければいいのだけれど、
このように弱い人間なので
気持ちを入れ直すために何らかのきっかけがほしい。

幸いいま暮らしているところには四季があり、
それらが一巡することを目や耳や鼻や舌や肌で感じることができる。

その一巡をひと区切りとして
新たな気持ちで日々を過ごせるようにするために
便宜上であっても構わないから節目とすべき日がほしい。

年が明けるというのは
宗教的にも風習の面でもいろんな意味があるのだと思うのだけど、
そうやってたくさんの人の気持ちが新たになるそのタイミングで
昔からこのように過ごすものだとされたやり方にある程度は従って
気持ちを引き締めるきっかけにするというのは
十分に意味のあることだと思うようになった。

新年明けましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

One Response to “年が明けるということ”

  • 2010/01/01 17:11

    あけましておめでとうございます。
    当たり前のことが、当たり前のことのようにも、当たり前ではなく貴重なことのようにも思える。歳を重ねることの意味は歳を重ねないとわからない。年が明けるごとにそういう実感が強くなります。
    今年こそ西の方面にでかけたいと思いつつ、今年もよろしくお願いいたします。