ユーザーからのお問い合わせメールでハッとさせられたこと

運営しているサービスを利用してくださっている方から
お問い合わせのメールをいただくと、
たまにハッとさせられることがある。

その中から衝撃的だったのをひとつ。

そのサービスはログイン時に
メールアドレスとパスワードを入力してもらうやつなんだけど、
それについてこういうお問い合わせが。

メールアドレスを2つ登録したいのですが

メールアドレスによってユーザーを識別しているので
メールアドレスを2つ登録しちゃったら
それぞれが別ユーザーになっちゃいます。

もちろん1ユーザーに2つのメールアドレスを割り当てるよう
システムを修正することも可能ではありますが
いったい何のために2つ登録したいのか聞いてみると

会社のアドレスで登録してるんですが、家でも使いたいので

なるほど!

メールアドレスというのはもともと識別子の集合に過ぎないし
ウェブサービスのログインに使う場合にはもう
単なるユニーク文字列でしかない。
同じメールアドレスは2つとないようになっているので
その排他性を利用してユーザー ID として利用しているだけ。

ところがそれはサービス提供側が考えているだけで、
一般的な感覚からすると
会社のアドレスは会社で使うもの。
自宅のアドレスは自宅で使うもの。

自宅のパソコンからサービスにログインするなら
自宅用のメールアドレスを入力するものだと思って当然かもしれない。

しかも「アドレス」というくらいだから
物理的な居場所と関連してそうだし。

最初にこのメールをいただいたときは

  • 登録していただいているメールアドレスは○○さんを他のユーザーの方と識別するために使っているだけであること
  • したがって、ご自宅のパソコンからでも会社のアドレスを入力してログインできること
  • 会社とご自宅のみならず、出張先のホテルやご友人宅など、どこからでも同じようにログインできること

などをお伝えするメールを書いてご返事したんだけど
その後何度も同じお問い合わせがくるので
FAQ に追加することにした。
まさに Frequently Asked Question.

慣れてない人がどんなことで悩むかというのは
可能な限り想定をしてはみるものの
やっぱり思い至らないことがあるので、
こういうお問い合わせは本当にありがたい。

そういえば初めてインターネットのメールに触れたとき
大学で支給されたアドレスなのに
自宅からでもメッセージが読み出せることに感動したし
そのとき少しだけインターネットの仕組みがわかった気がしたんだった。

わからないんじゃなくて、忘れてるだけですね。
また忘れてはいけないので書いときました。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

One Response to “ユーザーからのお問い合わせメールでハッとさせられたこと”

  • 2009/09/09 14:23

    [memo][impression]当たり前が当たり前になる前のこと。

    マスナガさんの「頭ん中」より。 ユーザーからのお問い合わせメールでハッとさせられたこと 概要は、氏が運営しているサイトに寄せられた問い合わせ*1から気づ…