一眼レフカメラのレンズ信仰について思うことを書いてみる

話題は少しずれるかもしれないけど
この件にインスパイヤされて。

カメラボディのスペック競争もそうなんだけど、
レンズへの信仰もなんであんなに篤いんだろうと思う。

もちろん大口径レンズの方が
綺麗なボケ味を出せるとか暗くてもよく撮れるとかいうのはわかる。
精度の高いレンズの方が
より鮮明で歪みの少ない画になるというのもわかる。

けど、それは何でそんなに大事なんだろう。

商業写真で製品の形状をより正確に伝えたいとか
カマキリの目だけをくっきりと写したいのだとか
明確な目的があって、
そのために適したレンズを選ぶのならわかる。

でも背景をぼかして被写体を際だたせないと綺麗じゃないわけでも
ブレたらそれすなわちダメな写真なわけでも
くっきりと写し出すことが正しいわけでも
まっすぐなものがまっすぐ写っているのが常に素晴らしいわけでもない。

他人様にとやかく言う気はないんだけど、
少なくとも自分の撮る写真については
ブレようが歪もうが
そのときその状況で撮ったらそうなったんだから
それはそれでいいじゃんかと思う。

もちろん「このように撮りたい」という思いはあるので
そのようになるよう工夫してみたり
人が持ってるレンズを借りて試してみたり
やっぱり明るいレンズは楽しいなあと思ったりはするけど、
思い描いてたように撮れなかった場合でも
結果として面白い写真になることは多い。

そのレンズにはそのレンズの特徴があって
それを選んで買ったのは自分であって
その一枚をそのレンズで撮ることに決めたのも自分なんだから
そこまで含めて自分の写真。

だから例えば
「最初よくわからなくて店員さんのオススメで買った入門セットについてたレンズですけど見た目も触り心地も気に入っててずっと使ってます可愛いんですよこれ頑張ってバイト代貯めて買ったやつだしここの傷とかイタリア旅行のとき落としちゃってついたんですけど何かそれも思い出っていうか」
というレンズで撮る写真なんて本当に素敵だと思う。

何かこないだも似たようなことを言った気がするけど
いろんなレンズがあって、それぞれに持ち味があって、
みんなちがって、みんないいんじゃないだろうか。

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