あるヒッチハイカーとの出会い

今し方 出先で用事を済ませて
帰宅しようと国道を走っていると、
道端に男が立っていた。
頭にタオルを巻いて
黄色いＴシャツを着た男が
親指を立ててこっちを見ている。
ヒッチハイカーだ。
久しぶりに会った。
実は家のすぐそばだったのだが
いつも旅を推奨している者として
無視して通り過ぎるわけにはいかない。
隣の市まででよかったら、
と告げて乗ってもらった。
彼は千葉出身の27歳。
昨年５月に千葉を出て、
もう１年以上旅をしているという。
その内容も素晴らしい。
本当にヒッチハイクで日本一周している。
沖縄へも、
漁師さんの船を乗り継いで行ったらしい。
車内で話したのはほんの30分あまりだったが、
いろんな話を聞かせてもらい
いろんなことを感じた。
せっかく感じたことを忘れないよう、
その内容は順次ここに記していこうと思う。
実に充実した30分だったが
ただ一つだけ心残りがある。
車を降りた彼と握手をして
「では気をつけて。楽しい旅を。」
とだけ告げた。
以前どこかで書いたかもしれないが、
人との別れが大の苦手だ。
たまたま車に乗せた旅人とであっても。
あまりの余裕のなさに
大事な一言を忘れていた。
「良い話を聞かせてくれてありがとう。」
名前すら聞きそびれたので
今となってはどうすることもできないが、
せめてこのブログがいつの日か
彼の目に止まることを祈る。
良い話を聞かせてくれてありがとう。