猫に手を噛まれて屈辱を味わった話

小学生のとき、猫に手を噛まれた

傷が派手だったので、すぐ病院に連れて行かれた。
消毒をされて縫合されて包帯を巻かれて注射をされた。
注射は、変な病気にかからないようにするためだろう。

それはいいのだが、
翌日登校した時の出来事が今でも忘れられない。

たまたま校長先生とすれ違ったときに
「その手はどうしたの?」と訊かれた。

当然「ねこにかまれたんです。」と答えたのだが、
それに対する反応は。

「あはは。君、そりゃあ犬だろう。」

校長先生は、釈明する間を与えることなく
笑いながらそのまま去ってしまわれた。

何という屈辱。

あの時、間違いなく
「まだ猫と犬の区別がつかない子」
扱いされていた。

ちがう。
本当に猫に噛まれたのだ。

今でもチャンスがあれば釈明したいのだが、
あの校長先生が誰だったのかはもうわからないし
そもそもそんな出来事を
ご本人は覚えていらっしゃらないだろう。

永遠に覆ることのない屈辱的な出来事だ。

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