そもそもなぜ猫に噛まれたかというと

屈辱的な出来事の発端。

小学校4年生だったろうか。
おうちでいい子にしていたら、
庭からけたたましい鳴き声が聞こえてきた。

わが家の猫2匹が
いつの間にか庭に侵入していた野良猫と
戦っていたのだった。

その野良猫のでかいこと。
牛ぐらいの大きさだった。

実際にはもう少し小さかったかもしれないが、
とにかく大きな猫だ。

これは放ってはおけぬ。
喧嘩の仲裁に入った。

その牛ぐらいの大きさの猫は
近づいていっても逃げようとしない。

試しに頭をなでてみても
まったく動揺する気配がない。

「おとなしい子だなあ。」
と思ってなでる手を引っ込めた瞬間。

その猫が飛びかかってきて、
引っ込めた手に噛みついた。

要するに、
おとなしかったのではなくて
緊張のあまり動けなかっただけだ。

それにしても、なんと奇妙な図だろう。
小学生の左手に
牛ぐらいの大きさの猫が噛みついてぶら下がっている。

その後何がどうなったのかよく覚えていないが、
気づいたら野良猫は逃走しており
自分は血だらけになっていた。

時々
「あれは本当に起こった出来事なのだろうか」
と思うのだが、
今でも左手の甲に牙の跡が残っているところを見ると
夢ではなかったようだ。

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