誰にとっての「完了」かという話

例によって重箱の隅をつつくようなことかもしれませんけど
そこから大切なことが得られるような気がしないでもないので。

ネットショップで注文した物がお店から発送されたらしく
その通知がメールで来たんだけど、
そこにはこう書かれていた。

商品発送完了のお知らせ

待っていたお知らせだし、何も間違っていない。
でも「完了」という言葉が使われているのを見てふと思った。

お店からすると、
発送したらひとまず作業終了だから確かに「発送完了」なんだけど
それはあくまでお店の都合ですね。

買った方からするとそれを無事受け取ることができた時点で取引完了。
発送の時点ではまだ一番大切なところに至っていない。

別にここで
「お客視点で考えていればそんな言葉は出てこないはずだ!」
とかそういうことを言う気はまったくない。
お店の人は、ちゃんと発送した時点で「完了」でいい。
おつかれさまでした。

ただ、それは店内というか社内というかの出来事であって
お客に送るメールにまでその表現をつける必要はないんじゃないかな、
とは思う。

「完了」というむつかしい言葉を使わなくても
これで十分なんじゃないかな。

商品を発送しました

発送しました。
あとはあなたが受け取るだけ。
どうぞお楽しみに。

こんなのは些末なことかもしれないけど
同じ事象を表現する場合でも
内と外とでその意味合いが違うので
そこのところにちょっと思いを巡らせて
表現を変えたらスマートになることもあるよね、
というお話です。

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One Response to “誰にとっての「完了」かという話”

  • 2011/06/30 22:46

    以前に、届いていないのに「配達完了」通知が届いたことがありました。

    経緯は、そのショップが代理店に仕事をまわしたため、ショップにとっては「完了」。買ったわたしは1ヶ月先に配達される、と聞いていたので、問い合わせると丁重に謝罪の電話がきました。

    ちょっとした言葉遣いが、信頼をつくるんですね。