大根よ、苦しくないか

確かニューヨークだったと思うが、
通りを歩いていて
無理矢理ビラを渡されたことがある。
肉食は動物に苦痛を与えるからやめようの会
 (と、英語で書いてあった)
のビラだった。
ビラの趣旨は、
会の名称そのまま。
食肉にされる動物の写真や
グラフがちりばめられていて、
結論は
だからあなたもベジタリアンに
というものだった。
思想も主張も食生活も個人の自由である。
ベジタリアンというライフスタイルにも
それなりの敬意を払っているつもりだ。
だが、
このような主張を聞くたびに思うことがある。
確かに動物は苦痛を感じるだろう。
しかし、
植物が苦痛を感じていないと
なぜ言い切れるのだろうか

もしかしたら、
植物も動物と同じように
苦痛を感じているのかもしれない。
大根を切ると、
痛っ!
と思っているのかもしれない。
運動神経を持たない大根は、
その苦痛を表現することができないだけかもしれない。
もしそうだとすると、
どちらがより辛いだろうか。
苦しいときに、
苦痛を表現できる者と
その苦しみを表には出せず
ただじっと耐えるしかない者と。
実際に苦しいのかどうかは
植物に聞いてみないとわからない。
しかし、
表現方法を持たない彼らからそれを聞き出すことも
またできないのだった。

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One Response to “大根よ、苦しくないか”

  • nananananashi

    2008/12/29 02:15

    鳥の血に悲しめど、魚の血に悲しまず。声あるものは幸いなり。