自分の顔写真を無断で広告に使われたときの話

こんな話がニュースになっていたが、

それどころじゃない使い方をされたことがある。

学生の頃、家庭教師派遣会社でアルバイトをしていた先輩に
「写真を撮らせてほしい」と頼まれた。

会社の新聞広告を出すのに
何百人もの家庭教師の顔写真を並べて
何かわからんけど一人ひとりにあった指導が何たらとか
そういうイメージを出すのに使いたいとのことだった。

そもそも家庭教師やってないんだけど
それはあまり気にしなくてもいいとかで
ともかく顔がほしいと。

まあ大勢の中のひとりで
どれが誰だかもわからんくらいだと言われたこともあり
気軽にOKしてしまった。

これが不幸の始まり。

その広告はたまたま新聞で目にした。
「どれが誰だかわからんくらい」ではなかったが
たくさんの顔が並んでいるうちの一人だった。

そこで終わればまったく問題なかったのだが、
次のバージョンは約束と違った。

新聞の下1/3ぐらいのスペースに
4人の「家庭教師」の顔が
「この仕事のやりがい」のようなコメントとともにでかでかと並んでいる。
何とその中の一人が自分。
繰り返すけどその会社で家庭教師はやっていない。

こりゃ話が違うぞと
次に先輩に会ったらひとこと言わないとなあと思っていたら
しばらくして友人から「新聞見たよ」と言われた。

聞けば、前回よりさらに大きく載っているという。

帰って新聞を確認して愕然とした。

前回と同じスペースに
自分がソロで出演していた。
もう実物大に迫るサイズの顔写真で。

しかもこんな感じのセリフとともに。

いま僕が受け持っている正人くんは、最近やる気を出してくれたのか、自分からいろいろと質問をしてくれるようになりました。

このようなことを延々と語った挙げ句、
ひときわ大きなフォントで

目標達成に向けて、がんばれ正人くん!

正人くんて誰だよ。

やってもいない家庭教師の仕事について語り
会ったこともない生徒を評価し
何だかわからない目標達成の応援をする家庭教師に仕立て上げられて
地域では一番の発行部数を誇る新聞に載せられてしまった。

もう出てしまったものをどうすることもできないし
訴えてどうこうする気もないので
先輩にひととおり苦情を述べて
二度とやらないことを約束してもらって片付けた。

何でよりによって自分なのかについては
「お母様方にウケがよかったんじゃないか」
とかよくわからないことを言われた。

まあ自覚できる実害はなかったから
いい勉強になったということで。
「一度放出した情報はなかったことにはできない」
と身をもって知ったことは
今でも活きている気がする。

それにしても正人くんて誰だよ。

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One Response to “自分の顔写真を無断で広告に使われたときの話”

  • 正治

    2009/01/06 10:54

    お久しぶりです。
    兄のこと、本当に忘れてしまったのですか?