「百姓」はいつの間に不快用語になったのか

shiozyさんのブログで
「百姓」という呼称が話題になっていた。

shiozyの介護生活: <百姓を考える>

特に念入りに開くのが「不快用語」の頁だ。

昨日、この頁を見ていて、
「職業(職種)など」という項目に
「百姓」の文字があるのに気がついた。

むむ、百姓は不快用語なのか。

むむ。母方の祖母は「百姓」だったはずだが、
祖母のライフワークはいつの間に
不快なものになってしまったのだろう。

Wikipedia: 百姓

日本においては当初は中国と同じ天下万民を指す語であった。しかし、古代末期以降、多様な生業に従事する特定の身分の呼称となり、

この言葉がどんな層を指すかは時代によって変遷した模様。
「百姓」が農民を指すようになったのは主に明治以降の話のようだ。

現在「百姓」が「不快用語」扱いされているのは
その言葉自体が不快な意味合いを持っているからではなくて、

都市を洗練、田舎を野卑とする古くからの観念とあいまって、戦後社会では百姓を農業に従事する者に対する差別的な呼称であると捉える傾向が生じ、このため農業従事者が「百姓」と自称する場合を除き、マスコミなどでは「百姓」という表現を控える事が多い。

だとすると
「『百姓』は好ましくない呼び名です」と言うのは
「田舎は都市より低位な存在です」と言ってるようなものか。

さて、やれマルクス主義史観だの近代的生業との対比だのは置いといて、
要するに何て呼べばいいんだろう。

個人と相対するときはまだ簡単で、
その人が何と呼ばれたいか
あるいは何と呼ばれたくないかで決めればいい。

問題は不特定多数が対象である場合だ。

マスコミは例によって

歴史を取り扱ったテレビ番組で本来の意味での百姓身分を指す場合ですら「農民」という言葉に置き換えることが通例である。

という意味不明の態度を取っているようなので
これはもうどうしようもないとして、
例えばブログに書くときはどうしたらいいんだろう。

多数決でもじゃんけんでもいいから、関係者で
「個別には各自主張することにして、
 一般的にはこの名称で行きましょうや」
というのを決めてもらえないだろうか。

「百姓」「農民」「農家の人」「農業従事者」と
いろいろ選択肢があるけど、結局どうなんですか、
ええと、その分野の方。

もう何て呼びかけたらいいのかわからん。

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4 Responses to “「百姓」はいつの間に不快用語になったのか”

  • 2006/12/29 09:45

    自分自身が名乗るのであれば、それをどうこう言うのはおおきなお世話でしょうね。
    百姓をを卑下する言葉に大きく関与したのはテレビの時代劇などのドラマでしょう。良く使うのは「百姓ふぜいが・・・・・」とバカにしていましたから、歴史的とあるとは思いますが、これらのほうが多いのでは?
    相手に対して言うには、その方の人間を見て使えばいいでしょうね。
    似たような言葉に、ホワイトカラーとブルーカラー。

  • 2006/12/29 11:00

    いつも、いいこと、いいますね!お百姓さんがいないと、生きていけないねえ!ほんと!ポチッ!したよ!来年もよろしく!是非、うちにもきてください!

  • 2006/12/29 23:00

    マスナガさんの足跡から日記を見に来ました。
    この流れだと、この日記に対する意見をTB使って日記に書くように求められているようですねー(笑。
    (農業従事者がどのように感じるか)でしょ!
    自分は百姓で良いですよー。

  • 2006/12/30 22:05

    > 幸せな百姓♪の まささん
    おお、本業のお百姓さんの声だ。じゃあ少なくともまささんは百姓ということで。