小学生のうちはあれくらいでもよかった

小学生の二人組とすれ違った。
一人が
ヒロシです。
と発言すると、
もう片方が
あはは。
と笑っていた。
そんなのでいいのか。
ヒロシという名前の
お笑いの人がいることは知っている。
その人がネタをやるとき
ヒロシです。
というフレーズを繰り返すことも知っている。
しかし、だからといって
何の脈絡もないところで
ヒロシです。
と言うだけで笑えるのか。
と、思ってはみたものの
そういえば小学生の頃は
そうだった気がする。
いま同じことを自分がやったら
大変なことになる。
今まで築き上げてきたものが
全て崩れ去ってしまう
かもしれない。
いったい、いつ頃まで
何か面白いことに関係する発言があった
だけで笑えていたのだろう。
そして、自分も周りも
いつ頃から
それではいけないと思い始めたのだろう。
いつ頃から
より上を目指すようになったのだろう。
もしかすると、
それまで「アリ」だったものが
ナシ」になることを
成長」と呼ぶのかもしれない。

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