40時間半監禁された話 前編

北国でスキーでもしようかと 長野県に向かったことがある。 すぐに寝付ける体質なので、 長距離バスが全く苦にならない。 苦にならないも何も、 走り出した次の瞬間には目的地に到着しているのだ。 それにしても、あのときは辛かった。 その日、長野周辺は記録的な大雪。 公共交通機関はすべてストップし、 高速道路も走っている最中に全面通行止めとなった。 当然のように大渋滞したのだった。 高速から降りようにも、 インターチェンジまでたどり着けない。 早朝にはスキー場に着いている予定が、 その日の昼になってもまだ高速道路の上にいた。 やっと最寄りのインターチェンジで降りたかと思えば、 町の交通も完全に麻痺していた。 進行速度は時速50センチ。 一眠りして目が覚めても景色が変わっていない。 「これはかなりの時間を覚悟しなければ」 と思ったその時。 乗客の一人が緊急事態に陥った。 トイレだ。 通常、ツアーバスの乗客は安全上の理由から 休憩所となるサービスエリア以外でバスを降りることは許されない。 しかし今は非常事態。 運転手さんがドアを開け、乗客は雪の中を走り出した。 それが、次なる物語の幕開けだった… (続く

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