目尻に釘が刺さった話

右目の目尻に釘が刺さったことがある。

保育園に通っていた頃のことなので、
もはや記憶は薄れている。
しかし傷跡が残っているからには
実際に起こった出来事であることは間違いない。

それは、麗らかな春の日だった。

もしかすると春ではなかったかもしれないが、
ともかく麗らかではあった。

ただ、気持ちの良い日向に立っていただけだった。

おそらく後ろから誰かに押されたのだろう。
何が起こったのかわからないまま前方に倒れ込み、
釘の打ち付けてあるパイプに顔をぶつけたらしい。

次に気がついたときには医務室で横になっていた。

周りにいる大人達が何やらバタバタしていたのだが、
どうも視界が真っ赤に染まっていまいちよく見えない。

その時、事態の重要性を把握すると同時に
「これは救急車に乗るチャンスかもしれない」
と思ったのを覚えている。

数分後、迎えに来たのはタクシーだった。
そのまま静かに病院に運ばれていった。

何だか騙されたような気分になった。

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One Response to “目尻に釘が刺さった話”

  • 2007/06/08 22:10

    私も刺さったことがあります!あ、私は釘でなく大木ですが。
    高校3年の時、お墓の掃除を家族総出でしていた時にちっちゃな墓を倒してしまって・・ちゃんと起こしたんだけど、位置がお気に召さなかったのかしら。
    裏山の木を切っていたおじいちゃんが大木を放った瞬間「危ない!!」眼のすぐ脇にグサっと(☉д⊙)
    病院にも連れて行ってもらえず、看護婦である母は一言「頭高くして寝ときなさい!」そんなぁ~・゚・(ノд`)・゚・。
    あれから7年、なんとか見えてるのでいいんですけどね。