なぜお年寄りの言うことはよく聞かなければならないか

ちょっと前のことだが、
堀江貴文氏が逮捕された。
事件そのものについて
ここで云々する気はないが、
この一連の出来事は
単なる証券取引法違反事件で終わるべきものはない。
ある程度の重要性を伴って
この国の経済史に残ることだろうし、
これこれこういう人物がいて、
 このようなことをやって
 社会にこんな影響を与えた

という記述は何度も読み返されることになるだろう。
だが、それでは伝えられないものがある。
雰囲気」だ。
我々は、
彼が大舞台に登場し
賛否両論を浴びせられながら
世間やマスコミに祭り上げられていった様子を
目の当たりにしている。
その雰囲気を、
リアルタイムで感じている。
世間がまた似たようなお祭りムードになったとき、
それを嗅ぎ取ることができるかもしれない。
それは理論やチャートで表すべきものではなく
あくまで「何となくそんな感じ」として知覚されるものだ。
この雰囲気を
実感として後世に伝えることができるだろうか。
そうでなければ、
我々が舞台から去った後
また別の形で同じような祭りが起きるかもしれない。
理屈を越えた部分で
「ならぬ」という警告を発することができるのは、
それを一度経験した者だけなのかもしれない。
お年寄りの言うことはよく聞きなさい
というのは、
これのことを言っているのではないだろうか。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加