献血はむしろ喜んでする方

血液型は知らないし、知りたくもない
という話をすると、
大抵こういう質問が来る。
献血はしないの?
もちろんする。
しないどころか、
むしろ好んでする方だ。
献血が好きだというと、
理解のない人からは
変に思われることがある。
しかしあれはなかなか楽しいものなのだ。
もちろんジュースがもらえるとか
人道上望ましい行為であるとか
そういうことも重要だろう。
しかし、献血の楽しみは
もっと命の根幹に関わるところにある。
それを感じたのは、
初めて献血をしたときだった。
採血用の針を刺した途端、
腕から血があふれ出てくるではないか。
ポンプで強制的に抜かれているわけではない。
自分の心臓が送り出しているのだ。
自らの命の鼓動が
温かい血液を送り出していく。
この時ほど、
ああ、生きてるんだなあ
と感じることはない。
戦場に住んでいるのでもなければ、
日常的に生きるか死ぬかの場面に遭遇することは
あまりないだろう。
そんな中で、
自分が生きていることを実感できる場
献血ルーム(あるいは献血車)なのだ。
しかも命を危険にさらすことなく。
なかなかお得ではないか。
続く

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